旧岩田家住宅

旧岩田家住宅(県重宝)

この建物は、門、土地ともに、伝建地区の保存を積極的にすすめていた岩田夏城氏の遺志により、昭和56年8月、市へ寄贈いただいたものです。市では修理工事を行い、井戸小屋、庭なども整備して、昭和58年4月から一般に公開しています。間口約16m、奥行き約43mの細長い敷地は、藩政時代から殆ど変わっていないものと思われます。建物は道路から9mほど離れて建ち、その間が庭になっています。建物の背面にも小さな庭をしつらえ、更にその奥を野菜や薬草を栽培する菜園として利用しているほか、柿や梅などの果樹やクコなど薬用となる木も多く植えています。建物は、今から約210年ほど前の寛政年間末から文化年間に建てられた武士の住居で、数回の改造後、岩田家が入居した明治時代には使用人の部屋などを増築し規模が大きくなりましたが、柱や小屋組などの主要構造部材、茅葺屋根などはほぼ建築当初のまま現在に残っています。各部屋の中で玄関から続く広間と座敷が接客部分にあたり、常居より北側が日常の生活に使われる部分です。このように式台の玄関を持ち、日常の生活空間を通らずに座敷へ行くことのできる間取りが、武家住宅の特徴のひとつとなっています。近年、市内の武家住宅の多くが姿を消してしまった中で、旧岩田家住宅は、江戸時代後期の武士の生活を知る貴重な建築物として、昭和60年には県重宝に指定されています。

The Iwata House
It was built for a samurai family about 210 years ago.The building style and use of the land are similar to the description above.